「あにめの記憶」16

世界名作劇場「ペリーヌ物語」

・日本アニメ界最強の「サクセスストーリー」
 本サイトで考察するアニメはこれで20作目になる。20作目と言うことでそれに相応しい作品をと思い今回選んだのが世界名作劇場「ペリーヌ物語」だ。個人的には私が世界名作劇場シリーズ最高傑作と思っている「南の虹のルーシー」と同等の傑作だと思う。
 本作はフランスのエクトル・マロ著「EN FAMILLE」(邦題「家なき娘」)を原作としている。この作品では両親を失った少女ペリーヌが祖父を求めてマロクールを訪れ、そこで直接祖父に自分を受け止めてもらうのでなく、なぜか祖父が経営する工場の工員として働き出す。そして工員から社長である祖父の秘書へと上り詰め、祖父からの愛と信頼を勝ち取った上で正体が明かされて引き取られるまでを描いている。
 その小説にペリーヌがマロクールに到着するまでのストーリーを書き加え、さらにアニメならではの子供キャラクターや主人公のペットなどを書き加え、「旅もの」+「日常生活もの」として完成させた。よって物語はマロクールへの旅が主題の前半と、マロクールでのサクセスストーリーを主題にした後半とで雰囲気が大きく違う。
 このアニメで一貫して視聴者に伝えようとしているメッセージは「愛」というものであろう。前半の旅行を軸とした物語では、劇中で死去することになる主人公の母が様々な「愛」を体現する。そして後半のサクセスストーリーでは、その母親が体現した「愛」を娘がしっかりと受け止めて、自分達を恨む祖父にそれを伝え続け最後にはそれが通じて祖父まで変えられてしまうという展開で「愛」の力を見せつけてくれるのだ。本作の優れているところはこのテーマがぶれることなく一貫している点で、それは「家族愛」を一貫して主張し続けた「南の虹のルーシー」との共通点でもあろう。
 特に後半のサクセスストーリーは見物である。あくまでも一途な主人公ペリーヌの姿を見て、何かを感じた当時の子供達は多いと思う。勿論彼女の出世には彼女の能力や才能に寄るところもあったはずだが、それに傲ることなく目の前の仕事を一つ一つ片付けて出世する姿は「社会人はこうあるべき」という姿を子供達に植え付けたと思う。ペリーヌは正体を明かして祖父のところに転がり込むという近道があったはずだが、それでは祖父が自分をどう思っていようと本当の愛情を勝ち取ることは出来ない。その判断で遠回りながらも「信頼」を勝ち取る必要性に迫られそれを忠実に実行するだけでなく、その中で悩みや苦しみといった面もキチンと再現され、非常に面白いサクセスストーリーとして完成している点は実に興味深い。これほどまでのすごいサクセスストーリーは、他のアニメではまず見る事は出来ない。
 そんな物語を、本サイトでは特に後半をサクセスストーリーを重視して考察して行きたい。

・「ペリーヌ物語」と私
 本作が放映されたのは1978年1月1日から12月31日までの全53話である。元日が日曜日だと日曜日の数は53回となるが、その53回の日曜日の夜に毎回放映されたというすごいアニメである。当然のことながら元日の夜に初回放映がスタートし、大晦日の夜に最終回が放映された。なお余談ではあるが今年2012年は「ペリーヌ物語」が放映された1978年と同様元日が日曜日だったので、日曜日が53回の年となる。だが今年は閏年なので最後の日曜日は大晦日ではなく12月30日となるのが相違点だ。
 つまり私が小学1年生の時のお正月に放映が始まり、2年生の大晦日に放映が終了したことになる。実は本放映時にリアルタイムで家族揃ってこの番組を見ていた記憶はあるのだが、当時その内容を理解して見たという記憶が無い(この翌年の「赤毛のアン」になるといくつか日曜日の夜の間違いなく見た記憶があるエピソードが出てくるのだが)。ちなみに大晦日に最終回を見た記憶はハッキリと覚えているが、元日に初回放送を見た記憶は全く無い。当時の元日は両親の実家へ年始挨拶に行くことになっていて、「ペリーヌ物語」を放映していた時間は母の実家から父の実家へ移動する自動車の車内だったはずだからだ。
 この物語の内容をキチンと理解したのは、「母を訪ねて三千里」同様に小学校高学年になってから見た再放送だ。平日夕方に再放送されていて、これを見る事で前半が祖父を訪ねての旅だったこと、後半がマロクールで祖父に受け入れてもらうためのサクセスストーリーだった事を理解した。ただ再放送を見た記憶では前半の「旅」がもっと長かったように感じた、50話程度の物語の中で40話位まで旅をしていたという勘違いを、昨年NHK−BSの再放送を視聴するまでずっと続けていたのだ。
 同時に子供の自分にとってこの物語は「難しい物語」として映った。確かにバロンという犬はとても面白かったけど、ペリーヌの行動がとても子供向きでは無かった事もあるかも知れない。子供にとって工場の工員として働くというのは「大人」のすることであり、劇中で描かれる「会社」における人間関係は自分と別世界のような気がしたのかも知れない。でもこの物語から社会というところ、そして会社という世界について良い点も悪い点も学んだのは確かだ。
 大人になってからは、前述した通り一昨年から昨年に掛けてNHK−BSで再放送されたのを視聴した。全話通しの視聴は殆ど記憶に無い本放映を含めて3回目と言うことだが、子供の頃には理解出来なかったことがここで理解出来たのは確かだ。今回はそれに続く視聴で、子供の頃の再放送で理解した記憶と大人になって見た記憶を織り交ぜながら、考察していきたい。

・「ペリーヌ物語」関連リンク集
 「ペリーヌ物語」についてもっと知りたい、他の方の視点による考察を見てみたい、とおっしゃる方は下記リンク集をご利用ください。

「ペリーヌ物語★壱番館」
ヒデ・1091様による「ペリーヌ物語」のサイトです。
「ペリーヌ物語」を原作との比較を中心に考察しています。特に「オマケの比較」コーナーの細かさにはおどろきました。
「ペリーヌ物語の部屋」
眠夢様による「ペリーヌ物語」のサイトです。
作品紹介だけでなく、本放映当時発売されていたグッズの紹介や、オリジナルの二次創作など興味深い内容のサイトです。
「世界名作劇場.net ペリーヌ物語MINIサイト」
あるセーラファン様による「ペリーヌ物語」と「小公女セーラ」の比較サイトです。
2作品の比較だけでなく、管理人様独自の視点での「ペリーヌ物語」考察もあります。個人的にはファブリさんのページが好きです。

・サブタイトルリスト

第1話 旅立ち 第28話 パンダボアヌ工場
第2話 遠い道 第29話 池のほとりの小屋
第3話 おかあさんのちから 第30話 自分の力で
第4話 泥だらけの伯爵 第31話 お客様を迎えて
第5話 おじいさんと孫 第32話 名前の秘密
第6話 二人の母 第33話 テオドールの財布
第7話 サーカスの少年 第34話 忘れられない一日
第8話 酔っぱらいロバ 第35話 英語の手紙
第9話 商売がたき 第36話 よろこびと不安
第10話 写真機どろぼう 第37話 おじいさんの大きな手
第11話 バロンがんばる 第38話 すてきなワンピース
第12話 たった二人の観客 第39話 インドからきた手紙
第13話 アルプス越え 第40話 バロンの災難
第14話 美しい国で 第41話 お城のような家
第15話 フランス!フランス! 第42話 ロザリーの悲しみ
第16話 おかあさんの決意 第43話 日曜日。ペリーヌは…
第17話 パリの宿 第44話 いじわるな夫人
第18話 シモンじいさん 第45話 ボスニアからの知らせ
第19話 パリの下町っ子 第46話 ビルフランの悲しみ
第20話 パリカールとの別れ 第47話 オーレリィの顔
第21話 最後の言葉 第48話 火事
第22話 忘れられない人々 第49話 幸せの涙が流れる時
第23話 ひとりぼっちの旅 第50話 初雪の降った日
第24話 美しい虹 第51話 おじいさんの目
第25話 パリカール!私のパリカール! 第52話 忘れられないクリスマス
第26話 親切なルクリおばさん 第53話 春の訪れ
第27話 おじいさんの冷い顔  

・「ペリーヌ物語」主要登場人物

ペリーヌの家族および親類関係
ペリーヌ・パンダボアヌ 物語の主人公、母と共にマロクールにいる祖父に会うための旅を続ける。マロクールでは自分の正体を明かさず、オーレリィと偽名を使う。
 …顔は地味だが良い意味でも悪い意味でも物事を自分で解決しようとする少女、年相応でない頭の良さと才能に恵まれているのも特徴だ。
マリ・パンダボアヌ ペリーヌの母で、写真師の商売で旅費を稼ぎながら娘を祖父に会わせるべくマロクールを目指す。身体が弱いのに娘のためにと無理な旅をしてしまう。
 …メーテルっ!!じゃなくて、娘を将来にもわたって守るために「愛の人」を貫く。彼女の最期の名台詞はこの物語を彩る重要な台詞だけでなく、多くの人の心に残ったことだろう。
エドモン・パンダボアヌ ペリーヌの父でマリの夫で写真師、第一話では彼の死から物語が始まる。ビルフランが愛し探し求める一人息子で、マリと駆け落ちして結婚した。
 …ペリーヌはこの父親似とのこと、試験に出るから覚えておくように(謎)。
ビルフラン・パンダボアヌ ペリーヌの祖父でエドモンの父、マロクールで大規模な製紙工場を経営している。息子だけを追い求め、その妻や娘には感心がないどころか恨みを持っていた。
 …この男が病によって失明していたことが話をややこしくしていたのは確かだ。ペリーヌの存在によって最も変化させられた人物。
テオドール ビルフランの甥でペリーヌの父エドモンの従兄弟に当たる。典型的な縁故だけで重役になったダメ管理職。
 …あの銀河万丈さんがこんなダメ人間を演じていたなんて…、ただしペリーヌの正体を知った時の演技はサイコー。
ブルトヌー夫人 テオドールの母親で、ペリーヌから見れば大伯母に当たる。息子がダメ管理職だという事実を知らずに後継者に推す。
 …なんか暴れるだけ暴れて去っていっただけっていう印象しか残らないキャラだ。
(テオドールとブルトヌー夫人はペリーヌの血縁者であるのでこの欄に記入としました)
ペリーヌが飼っている動物
バロン ペリーヌが飼っている犬でペリーヌ護衛隊長(笑)。物語で最も存在感のあるマスコットで、エンディングテーマにもなっている。
 …いつも勝手な事ばかりしている(笑)。病で倒れた主人公を救ったり、銃で撃たれたり、工場から叩きだされたりと、劇中では色んな役をこなす。
パリカール ペリーヌが乗る馬車を引いていたロバで、ペリーヌに最も愛されていた動物。旅の途中で資金不足に陥ったため、意を決して売ってしまう。
 …ロバのくせになぜか人間くさい。
マロクールへの旅で出逢った人々(当欄では複数話登場のキャラとその関係者を取り上げます)
マルセル トリエステ通過後に合流しミラノまで同行することになったサーカス団の少年、勉強のために預けられた親類の家を抜け出してきた。
 …台詞は棒読みだけどそこがいい。とても気の良い少年で好感が持てる。ペリーヌと共にマリから「愛」を学ぶ。
ジャン ミラノで出逢ったマルセルの父親で、サーカス団の調教師。息子を連れてきたペリーヌ母子に感謝している。
 …マルセルによるとこの男の動物の調教は一級品らしい。サーカスでの動物扱いは見事だ。
シルヴァーナ ミラノで出逢ったマルセルの母親で、サーカスで馬の曲乗りの花形。トリエステの親類の元を抜け出したマルセルを叱る。
 …マルセルが思いを寄せた母で、途中の張り紙に見入るほど。だがその張り紙と全然違う人だったなぁ。
ブルム ミラノで出逢ったマルセルらが所属するサーカス団団長。マルセルを連れてきたお礼にペリーヌ達だけのために特別公演を開く。
 …特別講演での名調子はいまでも心に残っているなぁ。声が当サイト考察作品で最も登場回数が多いあの人だ。
ロッコ 旅の途中でペリーヌとマリの前に現れた商売敵の写真屋。下記写真師のマネージメントなど商売を取り仕切っているようだ。
 …相手が女性と子供だけと知って横柄な態度を取る。こんな奴相手によくマリは「愛」を貫くことができたなー。
ピエトロ・ファンファーニ 旅の途中でペリーヌとマリの前に現れた商売敵の写真屋。こちらは写真師だが、腕は子供のペリーヌから見てもマリの方が上。
 …確かにピントも露光も甘い(笑)。でも当時はそれが解るのはプロかその関係者だけってことで…負けるとその写真を破り捨てた。
ルクリ パリでペリーヌからパリカールを購入した廃品回収のおばさん。男物の服を着ているので「男のような女」と呼ばれる。
 …そして物語後半、この人物がいなければオーレリィの正体が判明することはなかったはずで、物語最大のキーマンだ。
パリの人々
シモン パリでペリーヌらがしばらく住んだシモン荘の管理人で廃品回収を生業としている。欲は深いが、徐々にペリーヌのペースに呑まれる。
 …永井一郎さんの「歯が抜けた演技」はとてもすごい。あの声で「人類は増えすぎた人口を…」ってやって欲しい。
カロリーヌ シモン荘の住民でペリーヌ母子以外唯一の女性、「公爵夫人」と呼ばれている。最初からペリーヌ達の事を気に掛けていた。
 …なぜ「公爵夫人」なのかはよくわからないが、住民らをペリーヌのペースに巻き込んだきっかけは間違いなくこの人。
ガストン シモン荘の住民で靴の修理を生業としている。スープを作って「自分で食べる」のが趣味。
 …最初は自他共に認める「ケチ」だったようだが、「公爵夫人」の罠もあって親切な人に変貌する。あのシーンは面白かった。
飴屋 シモン荘の住民で文字通り飴屋を生業としている。家賃を滞納しているらしく、いつもシモンに見つからないようコソコソしている。
 …なんで日本のアニメに出てくる飴って必ずペロペロキャンディーなんだろう?
サンドリエ パリでマリを診察した医師で、名医で診察料が高い。母子に家馬車での生活をやめるよう言い、マリには入院が必要とする。
 …声はどう聞いてもロンバルディーニ先生(by「母をたずねて三千里」)ですね。ありがとうございました(意味不明)。
マロクールおよびパンダボアヌ工場関係の人々
ロザリー ペリーヌが最初に出逢ったマロクールの少女で親友となる。父のレストランの手伝いをしつつパンダボワヌ工場で働いて家計を支えている。
 …赤毛でそばかすというどっかで聞いたような外見だが、顔はペリーヌ以上に地味。ボケ役から工場で怪我する役まで、その存在感は幅広く、マロクール編で最も目立つ人物。
フランソワーズ ロザリーの祖母で、ペリーヌの父エドモンの乳母。ペリーヌを一目見た時に何かを感じるが、それを思い出せずに話をややこしくする。
 …でもこの人の存在がなければ、オーレリィはずっとオーレリィのままで物語はいつまで経っても終われなかっただろう。
セザール ロザリーの父、マロクールでレストラン「シャモニー」を経営している。ペリーヌと初対面の時はあまり関心がなかったようだが…。
 …劇中での活躍があまり記憶に無い。でもファブリが「こんな店」と口を滑らすと即座に反応したことだけはよく覚えている。
ポール ロザリーの弟で、バロンがとても好き。
 …そして一家の中で最も存在感がなく、一時は制作者側にすら存在を忘れ去られ出番がとても少なかった可哀想な登場人物。
ファブリ パンダボアヌ工場の技師で、ビルフランに一目置かれている。ふとした偶然からペリーヌの本名を知り、その正体を知る人物として活躍。
 …この物語に出てくる男達の中では、一番の「当たり役」であろう。常にペリーヌの力になろうとし、それを有言実行する。
タルエル パンダボアヌ工場の工場長にして、ビルフランの後継者候補ナンバーワン。腹黒いが頭が良く、出世の術をよく知っている。
 …ペリーヌを力で自分達の手先にしようとしたのが彼の最大の間違いだろう。出世の術を知る器用さが仇となって、ペリーヌを使いこなせなかった。
セバスチャン ビルフランの屋敷の執事で、誠心誠意ビルフランに尽くす男。ペリーヌのビルフランに対する愛に気付き、心から信頼する。
 …そしてペリーヌの正体を知ったとき、ビルフランの次に喜んだ男でもある。地味ながらも印象的なキャラだ。
フィリップ ビルフラン専属の弁護士で、エドモンやその妻子の行方や「オーレリィ」の正体などを調査する。
 …「ペリーヌ物語」の脇役(レギュラー外)では一番の当たり役。台詞の選び方がとても良くて、登場回数の割に印象に残った。


・「ペリーヌ物語」オープニング
「ペリーヌものがたり」
 作詞・つかさ圭 作曲・渡辺岳夫 編曲・松山祐士 歌・大杉久美子
 このオープニングもとても懐かしく見てしまった。特に最初の「♪ルンルン ルルル ルンルン」という歌い出しだけで、子供の頃の記憶が強烈に引き出されたと言っても過言ではない。
 このオープニングでは「世界名作劇場」シリーズとしては珍しくワンコーラスがとても短く、レギュラーで1番と2番が流れる。歌詞の内容的にも背景画像も1番では前半の「旅」を、2番では後半のサクセスストーリーを意識しているのは見たことある人ならピンと来るだろう。歌詞の内容では1番は「春」という物語のスタート時点の季節を歌い、目的の地に涙を隠して旅を続ける劇中のペリーヌの姿が歌われている。2番では見知らぬ土地で一人でサクセスストーリーを紡ぐペリーヌを見守る存在と、その先にある幸せというのが上手く強調されている。どちらも物語のイメージを強く視聴者に植え付ける内容だ。
 背景画像もうまく出来ていると思う。特に最初のシーン、花畑の向こうから馬車とペリーヌが現れる画像は秀逸で、これはそのまま物語におけるペリーヌのイメージであるのは確かだろう(ここにマリが出てこないのは大きなポイント)。1番の背景画像はマリとの旅の平凡なワンシーンを抜き出し、その後ペリーヌとバロンが綿毛に乗って空を飛んで旅路で見る風景を眺めるという印象深いシーンで「旅路」を植え付けてくる。これは「赤毛のアン」のオープニングでアンが手繰る馬車が空を飛ぶのと同じ効果がある。感想ではバロンのキャラクターを活かして滑稽なシーンを挟み、2番ではマロクールでの「池の畔の小屋」での生活シーンを中心にペリーヌが「一人で頑張っている」ということを上手くイメージさせる。ただし「旅」でのエピソードになるペリーヌが倒れてパリカールに助けられるシーンや、劇中とは無関係にペリーヌが池に落ちる滑稽なシーンなどを挟んで視聴者を飽きさせない工夫もしている。そして最後はペリーヌとバロンが丘の上からマロクールの街を眺めている後ろ姿で締める。つまり歌詞と背景画像がセットで「ペリーヌ物語」全編のダイジェストになっていることが、視聴を続けていると理解出来るという内容だ。
 曲は歌詞を見ると少し説教臭いが、アレンジなどを工夫して明るいイメージで仕上がっている。これも劇中の雰囲気ではなくペリーヌの前向きな性格を上手く再現していて、「南の虹のルーシー」「赤毛のアン」「母を訪ねて三千里」とはまた違う方向の名オープニングだと私は思う。

5月13日更新
新作はこちら

総評はこちら

次ページ「あにめの記憶」トップに戻る